産科医療補償制度の補償申請について
ステップ1:補償申請に向けて
(1)補償請求者
お子様が脳性麻痺と診断されたら、まずは以下の「補償対象の範囲」を確認してください。
「脳性麻痺」についての説明は、こちらをご参照ください。
補償対象の範囲
産科医療補償制度では、2009年以降に本制度の加入分娩機関の医学的管理下において出生したお子様が、以下の3つの基準をすべて満たした場合に、「補償対象」として認定します。
【1】補償対象基準
- 2022年1月1日以降に出生したお子様の場合
-
- ⇒ 妊娠週数は、母子手帳などで確認してください。
- 2015年1月1日から2021年12月31日まで以降に出生したお子様の場合
-
- 1.
- 出生体重1,400g以上、かつ、在胎週数32週以上のお産で生まれていること
- または
- 2.
- 在胎週数28週以上であり、かつ、次の(1)または(2)に該当すること
- (1)
- 低酸素状況が持続して臍帯動脈血中の代謝性アシドーシス(酸性血症)の所見が認められる場合(pH値が7.1未満)
- (2)
- 低酸素状況が常位胎盤早期剥離、臍帯脱出、子宮破裂、子癇、胎児母体間輸血症候群、前置胎盤からの出血、急激に発症した双胎間輸血症候群等によって起こり、引き続き、次のイからチまでのいずれかの所見が認められる場合
- イ
- 突発性で持続する徐脈
- ロ
- 子宮収縮の50%以上に出現する遅発一過性徐脈
- ハ
- 子宮収縮の50%以上に出現する変動一過性徐脈
- 二
- 心拍数基線細変動の消失
- ホ
- 心拍数基線細変動の減少を伴った高度徐脈
- ヘ
- サイナソイダルパターン
- ト
- アプガースコア1分値が3点以下
- チ
- 生後1時間以内の児の血液ガス分析値(pH値が7.0未満)
- ⇒ 体重と妊娠週数は、母子手帳などで確認してください。
- ⇒ 2.において、(1)または(2)に該当するか否かは、お産をした分娩機関に確認してください。
2009年1月1日から2014年12月31日までに出生したお子様の場合
(2014年12月31日までに出生したお子様の補償申請受付は終了しました。)
【2】除外基準
- 1.
- 児の先天性要因による脳性麻痺(両側性の広範な脳奇形、染色体異常、遺伝子異常、先天性代謝異常又は先天異常)
- 2.
- 児の新生児期の要因による脳性麻痺(分娩後の感染症等)
- 3.
- 妊娠もしくは分娩中における妊婦の故意または重大な過失による脳性麻痺
- 4.
- 地震、噴火、津波等の天災または戦争、暴動等の非常事態による脳性麻痺
- ⇒
- お子様を日常的に診察している小児科医などの医師に確認してください。
- ※
- なお、お子様が生後6ヶ月未満で亡くなった場合は、補償の対象となりません。
【3】重症度の基準
- ※
- 本制度における重症度は、身体障害認定基準(身体障害者手帳の障害程度等級)を参考にしていますが、そのものによるのではなく、本制度としての専用診断書および診断基準によるものとしています。(手帳の等級や取得の有無は、審査の結果には影響しません)
「3つの基準」について、より詳細な説明は、「補償対象の範囲と考え方」をご参照ください。
- 補償対象の範囲と考え方
判断がつかない場合や分娩機関、小児科医などに尋ねても判断に迷う場合は、ご遠慮なく運営組織(コールセンター)までご相談ください。
(2)補償請求者
ステップ1-(1)の【1】~【3】を満たすと思われる場合、次の1と2を確認の上で、お産をした分娩機関に対して、補償申請書類を請求してください。
なお、満たすかどうか判断に迷うような場合でも、補償申請の手続きを進めていただくことができます。
1.補償申請期間
補償申請を行うことができる期間は、お子様の満1歳の誕生日から満5歳の誕生日までです。
ただし、極めて重症で診断が可能と判断された場合は、生後6ヶ月から申請することができます。
補償申請を行う時期(年齢)については、お子様の状態を診察し診断書を作成する専門の医師の助言に従ってください。
なお、以下の場合は、早い年齢では診断や障害程度の判定が困難であるため、適切な時期に診断を受けてください。
- 低緊張型脳性麻痺の場合・・・原則として3歳以降の診断
- 上肢のみの障害で補償申請を行う場合・・・原則として3歳以降の診断
- 「下肢・体幹運動」、および「上肢運動」のいずれかの障害程度では基準を満たしていないが、下肢・体幹および上肢の両方に障害がある場合(片麻痺等)・・・原則として4歳以降の診断および動画の提出
2.補償請求者の範囲
補償申請を行うことができるのは、脳性麻痺のお子様の親権者(または未成年後見人)であって、お子様を現に監護している方です。
本制度の補償金の受給権者はお子様であり、その保護者(親権者または未成年後見人)がお子様の法定代理人として補償請求を行います。
この請求を受けて、分娩機関が、補償請求者と分娩機関にそれぞれ必要となる書類等がセットになった書類一式を運営組織から取り寄せます。その中から、補償請求者に必要となる書類等が分娩機関から補償請求者へ渡されます。
分娩機関がすでに閉院している場合や、補償申請の手続きにご協力いただけない場合は、運営組織(コールセンター)までご連絡ください。